Don't Stop Believin'
「モンスター」(2003)
こんにちは、ウェブ担当です。
「映画の良し悪しは、エンドロールのその瞬間に決まる」という僕の持論に、さらに”全身鳥肌”をプラスさせて応えてくれた作品です。
この作品は、アメリカに実在した女性シリアル・キラー、アイリーン・ウォーノスの壮絶な半生を描いたドラマです。
(参考:アイリーン・ウォーノス)
残酷な過去を持った女性が、自身の心の闇に怯えながらも、自分なりの生き方をみつける……のならば美しいストーリーになるのですが、この作品は、残念ながら絶望へと辿りつきます。
情婦をしながらも、毎日が食うに困るような生活環境のさなか、生きることに一切の希望を見出せず、彼女は自殺を思い立ちます。
そんなとき、とある女性と運命的に出会い、これまでに味わったことのないささやかな希望に触れ、すがります。
彼女を愛するがゆえ、再び自らの身体を売り続ける日々。それは、愛する人を守るためであり、ともに生きるためでした。
突然の愛にとまどい、やがて理性は破綻します。ついに彼女は自らの手で人を殺してしまうのです。
守るためだったその行為は、いつか自分の人生を傷つけた数々の”男”への復讐へと繋がり、コントロールを失った挙句、結果的には愛する人をも遠ざけてしまうことに……
素直な感情に従うことは、それ以外を傷付けてしまうことなのです。人間は誰しもそのバランスを保ちながら生きてゆきます。
ただ、弱い人間が時折見せる心の闇を社会は”モンスター”と呼び、疎み、突き放します。法治の是とは、おそらくそういうことです。
人を殺すことを肯定するつもりはありません。しかしながら、この主人公には共感せざるをえません。僕もおそらく、弱い人間なのでしょう。
聞けば、主人公を演じたシャーリーズ・セロンは15歳のときに、アル中の父親に殺されかけ、母親が父親を射殺したという経験を持ち、自身をアイリーンに投影させ、同時にその過去の経験と向き合うことで乗り越えることが出来た、とも言われています。
エンドロールのその瞬間、流れるイントロにすべての救いが集約され、心が震えるとはこのことなんだ、と全身で実感します。
間違いなく重い映画です。軽い気持ちで観ると心がズタズタにされてしまいます。しかし、それ以上に得られるものがきっとある、と信じておすすめします。
こんにちは、ウェブ担当です。
「映画の良し悪しは、エンドロールのその瞬間に決まる」という僕の持論に、さらに”全身鳥肌”をプラスさせて応えてくれた作品です。
この作品は、アメリカに実在した女性シリアル・キラー、アイリーン・ウォーノスの壮絶な半生を描いたドラマです。
(参考:アイリーン・ウォーノス)
残酷な過去を持った女性が、自身の心の闇に怯えながらも、自分なりの生き方をみつける……のならば美しいストーリーになるのですが、この作品は、残念ながら絶望へと辿りつきます。
情婦をしながらも、毎日が食うに困るような生活環境のさなか、生きることに一切の希望を見出せず、彼女は自殺を思い立ちます。
そんなとき、とある女性と運命的に出会い、これまでに味わったことのないささやかな希望に触れ、すがります。
彼女を愛するがゆえ、再び自らの身体を売り続ける日々。それは、愛する人を守るためであり、ともに生きるためでした。
突然の愛にとまどい、やがて理性は破綻します。ついに彼女は自らの手で人を殺してしまうのです。
守るためだったその行為は、いつか自分の人生を傷つけた数々の”男”への復讐へと繋がり、コントロールを失った挙句、結果的には愛する人をも遠ざけてしまうことに……
素直な感情に従うことは、それ以外を傷付けてしまうことなのです。人間は誰しもそのバランスを保ちながら生きてゆきます。
ただ、弱い人間が時折見せる心の闇を社会は”モンスター”と呼び、疎み、突き放します。法治の是とは、おそらくそういうことです。
人を殺すことを肯定するつもりはありません。しかしながら、この主人公には共感せざるをえません。僕もおそらく、弱い人間なのでしょう。
聞けば、主人公を演じたシャーリーズ・セロンは15歳のときに、アル中の父親に殺されかけ、母親が父親を射殺したという経験を持ち、自身をアイリーンに投影させ、同時にその過去の経験と向き合うことで乗り越えることが出来た、とも言われています。
エンドロールのその瞬間、流れるイントロにすべての救いが集約され、心が震えるとはこのことなんだ、と全身で実感します。
間違いなく重い映画です。軽い気持ちで観ると心がズタズタにされてしまいます。しかし、それ以上に得られるものがきっとある、と信じておすすめします。
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