この映画は、石油メジャーBP社の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」が2010年に起こした爆発事故を基にした作品です。

詳しい事故の経緯については公式サイトに説明がありますが、簡単にまとめると「工期が50日遅れていたこともあり、安全テストや必要な設備設置を省略して、石油掘削を断行した結果、世界最大級の大事故が発生した」というものです。

この事故ほどではないとしても、多かれ少なかれ私たちは勘案すべきリスクや必要なコストから目を背けがちです。そして、その結果の責任からも。仮にそれらを無視しなければやっていけない実情があるのだとしたら、それはそのビジネスモデルそのものが誤っているのだと判断すべきであるはずです。

いや、そんなこと言われなくても誰もが分かっています。そう、分かっているのに、私たちはこの過ちをいつも繰り返してしまいます。ノーベル経済学賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマンの名著「ファスト＆スロー」でいうところのシステム1（直感的で間違いが多い思考）に漫然と従ってしまうのです。しかし、やはりそれは危険なことなのだと、「バーニング･オーシャン」を観て自戒しました。

そんな人間の業のようなものが引き起こした歴史的な惨事を、圧倒的な映像で描ききったのがこの作品。日々「仕事」をする全て方々にぜひ観ていただきたい傑作です。

2017.09

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全ての働く人、必見!!「バーニング・オーシャン」