強さのインフレーション


日野店スタッフ「Y」です。本日はおすすめなコミック「グラップラー刃牙」シリーズ / 板垣恵介 [秋田書店]を、ご紹介いたします。
「刃牙(バキ)」シリーズは1991年から少年チャンピオンコミックスに掲載されている格闘アクションの長編作品で、2011年11月時点で、以下のものがリリースされています。
  • グラップラー刃牙 全42巻
  • グラップラー刃牙外伝 全1巻
  • バキ 全31巻
  • バキ特別編SAGA 全1巻
  • 範馬刃牙 既刊30巻
「こんなに長いものをいまさら薦められても……」と思ったあなた、ご安心ください。この作品は大コマや見開きが多用されているので、すさまじいスピードで読み進めることができます。早い人だと1冊10分程度でいけるかも知れません。

「そんなに早く読めちゃうなんて、内容が薄すぎるんじゃ?」と思ったあなた、ご安心ください。この作品の内容はとても濃いです。あまりにもコッテリし過ぎて、これを読んだ後は、他の作品が薄味に感じてしまうほどです。

つまり、「刃牙」シリーズは「さっと読めて、満足感もしっかりある」という忙しい現代人にはうってつけな代物となっているのです。巻数の多さに物怖じせず、手にとってください。


さて、この作品は前述したとおり格闘ものでして、主人公の範馬刃牙(ハンマバキ)がいろんな格闘家と戦います。そして他の格闘漫画と同様に、この作品内でも格闘における様々な理屈の説明がなされるのですが、その根底には1つの大きな信念が横たわっています。
その信念とはずばり「強い者が強い」
この厳然と存在する、あまりにも大きすぎる掟の前では、小手先の理屈など霧散してしまいます。

筋力が強ければ強いのです。

身体能力が高ければ強いのです。

しかもその強さは簡単にハイパーインフレ状態となり、人智を超えた様相を呈します。

敵の肉を指でつまんで引きちぎります。


敵の足を引きちぎって食べます

1人の人間を監視するために、アメリカの人工衛星が数機作動します。

こうした強さの表現の常軌を逸したハイパーインフレにより、この作品はもはや高度なギャグ漫画として完全に成立せしめる極みにまで達してしまっています。
「心震えながら爆笑する」という稀有な経験を、あなたもこの作品を読んで味わってみてください。

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